【iD100】⑥コストシミュレーション(数量算出)

こんにちは!アレックスです。
前回はエリアプランの図面化を行いましたね。
【iD100】④マス作成~マスにフィルタの記事で書いたように、マスを作成することで立面図、断面図も表現することができるので
Revitでも企画設計時の単線プランとして平面図・立面図・断面図が描けるというわけです。
またエリアプランビューに配置してもらった詳細コンポーネント(詳細項目)ファミリは、このあとのフローで登場する[エリアからモデル作成]コマンドでも効果を発揮しますので、それはまた別の記事で解説したいと思います。

今回はiD200に進む前にコストシミュレーションついて解説していきます。

では、はじめてみましょう!


使用するコマンドはDesign[COST SIM]コマンドになるのですが、[iD100]の段階でAReX-Styleで行うコストシミュレーションは、マス床/部屋/エリアに対して割り当てられた[面積タイプ]ごとに平米単価を設定して算出するものになります。

では実際にコマンドを実行していきましょう。まずは[面積タイプ]ごとの単価表を作成します。
[AX-Design]タブ>[コスト]パネル>[数量取込]コマンド下部をクリックし、[単価表作成]コマンドをクリックします。
注意)コマンド実行時にExcelを起動しているとエラーとなります。

単価表ファイルの作成場所を指定して、[単価表作成]ダイアログでは[iD100]を選択します。

[エリア]を選択してコマンドを進めます。

Excelを開いて確認してみましょう。

プロジェクト内で使用されている面積タイプが書き出されていることが確認できます。
このExcel内に平米単価を入力します。
入力が完了したら上書き保存を行ってから、Excelを閉じてください。

コストシミュレーションを実行してみましょう。
[AX-Design]タブ>[コスト]パネル>[数量算出]コマンド下部をクリックし、[COST SIM]コマンドをクリックします。

[COST SIM]ダイアログでもiDレベルとして[iD100]を選択します。

[対象カテゴリを選択]ダイアログで各項目の設定を行い、[OK]ボタンをクリックして進みます。

[エリアスキーム]を選択し(今回のサンプルデータでは[A案])、[単価表作成]で作成した単価表ファイルを選択します。

[COST SIM]を実行したExcelファイルを開いて確認してみましょう。
[単価表作成]で作成した単価表ファイルに新しいシートが追加されています。

面積タイプごとの面積が書き出され、平米単価で計算されています。
と、ここで。面積タイプが同じでも平米単価が異なる場合はどうすればよいのでしょうか?
[面積書出]との連携もありますので、ひと工夫必要になります。

共用(容積対象)を平米単価の区分としてAとBに分けてみます。
面積タイプを割り当て直すので、[面積書出]時に使用したExcelファイルを開きます。

[AReX階]の行にあるキーワードが「共用(容積対象)」となっているセルを「共用(容積対象)A,共用(容積対象)B」と入力します。
ここで重要になるのが「,(カンマ)」です。
「,(カンマ)」区切りでセルに面積タイプを入力することで、そのセルの列には合算された面積が書き出されます。

「,(カンマ)」区切りでセルに入力することで、2つ以上の面積タイプをひとつのセルに合算することができます。
また[AReX階]の行は非表示にして印刷することを前提としていますので、表現的にも問題はありません。

Excelデータの準備が整ったらRevitに戻って[面積タイプ設定]コマンドで面積タイプを割り当て直しましょう。
面積タイプを割り当て直すエリアを選択した状態で、
[AX-Design/AX-Design LT]タブ>[面積連携]パネル>[面積書出]コマンド下部をクリックし[面積タイプ設定]をクリックします。

Excelで設定し直した面積タイプがちゃんと表示されています。

[共用(容積対象)]だった各階のエリアを[共用(容積対象)A]と[共用(容積対象)B]に分けましょう。

今回は共用(容積対象)部分を2つに分けましたが、PS他部分も平米単価の観点からは分けるべきでしたね….
気になる方は[共用(容積対象)C]として分けてくだい。

面積タイプの割り当て直しが完了したら、[面積書出]コマンドを実行して、正しく面積連携がされているか確認してみましょう。
[AX-Design/AX-Design LT]タブ>[面積連携]パネル>[面積書出]コマンドをクリックします。

ちゃんと書き出されましたね。
ではコストシミュレーションに戻りましょう。
再度[単価表作成]コマンドを実行して平米単価の設定を行いましょう。
前述でも書きましたが、このコマンドを実行するときにはExcelは閉じてくださいね。
[AX-Design]タブ>[コスト]パネル>[数量取込]コマンド下部をクリックし、[単価表作成]コマンドをクリックします。

設定し直した面積タイプが書き出されています。
平米単価を入力して、再度[COST SIM]コマンドを実行して確認してみましょう。
[AX-Design]タブ>[コスト]パネル>[数量算出]コマンド下部をクリックし、[COST SIM]コマンドをクリックします。

ここまでコストシミュレーションの一連の流れを解説してきましたが、一点、抜けていたことがありますね…
基準階タイプの建物の場合、[面積書出]は面積が書き出された後にExcelにて基準階の他階への展開ができますが、この[COST SIM]はそれができません。
[COST SIM]を実行する前に、基準階プランを各階にコピーしておいてください。

iD100レベルのコストシミュレーションの解説は以上となります。

ここまでの【iD100】のワークフローはいかがでしたでしょうか?
これまで2次元CADで行ってきた企画設計の検討・図面化をAReX-Styleを活用することでRevitでもできることを体験していただけましたでしょうか。

次回からは【iD200】に進みます!第1回として構造モデルの簡易作成を行いますので、お楽しみに!


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