こんにちは!アレックスです。
前回の③部屋からモデル作成~床スタイル/天井スタイルはいかがでしたでしょうか?
②壁の確認~部屋からモデル作成~壁スタイルに引き続き、部屋情報と連携した詳細モデル化をご紹介してきました。
AReXのツールを利用することで実施設計段階で検討用にも活用できるモデルを簡単に作成できることがお伝えできたのではないでしょうか。
さて今回は、詳細化されたモデルから数量を算出してみたいと思います。
でははじめてみましょう!
数量算出
AReXでは[AX-Design][AX-SC][AX-Manage]の各[コスト]パネルに数量算出に関わるツールを用意しています。
[AX-Design]では部屋に割当てられているマテリアルを確認するツールもありますが、今回は[コスト]に着目してツールをご紹介していきます。
数量取込
AReXの一連のコストシミュレーションツールのフローは、下記の流れで行います。
①数量取込
↓
②単価表作成
↓
③COST SIM(AX-Manageの場合はAX COST)
その手順を見ていきましょう!
手順
1.[AX-Design(AX-SC/AX-Manage)]タブ>[コスト]パネル>[単価表作成]コマンド下部をクリックし、ドロップダウンリストから[数量取込]を選択します。
2.[数量取込]ダイアログで設定を行います。
対象とするAXSリスト(製図ビュー)にチェックを入れ、【iDレベル】を選択し[OK]をクリックします。
※【iDレベル】の違いについては、後ほど解説します
※[iD200]を選択した場合は、部屋情報のパラメータ設定を行います。
3.コマンドが完了したら、製図ビューにて数量を確認してみましょう。
数量が「0」のもの(使用されていないスタイル)は未使用の扱いとなりグレー表示となります。
4.次に単価表を作成します。
[AX-Design(AX-SC/AX-Manage)]タブ>[コスト]パネル>[数量取込]コマンド下部をクリックし、ドロップダウンリストから[単価表作成]を選択します。
※Excelを閉じている状態でコマンドを実行してください。
5.[単価表作成]ダイアログで、ファイルの保存場所、ファイル名を設定し、[保存]をクリックします。
6.単価表を作成するiDレベルを選択します。今回は[iD200,iD300]を選択します。
7.作成対象とするスタイルを使用中(数量取込時にグレーにならなかったスタイル)のみとする場合は、[使用中のスタイル]を選択します。
8.単価表が作成できたら、Excelを開いて確認してみましょう。
9.Excelで[単価]のセルに値を入力します。
※入力できたら保存し、Excelは閉じておきます。
10.[AX-Design(AX-SC/AX-Manage)]タブ>[コスト]パネル>[単価表作成]コマンド下部をクリックし、ドロップダウンリストから[COST SIM]を選択します。
11.[COST SIM]ダイアログで、コストシミュレーションを行うiDレベルを選択します。今回は[iD200・iD300]を選択します。
12.前項で作成した単価表ファイルのパスを指定し、[OK]をクリックします。
13.書き出しが終了したら、Excelを開いて確認してみましょう。
14.[単価表]とは別にシートが追加され、工事区分ごとの小計、各項目(スタイル)の数量、金額を確認することができます。
15.AX-Manage[AX COST]を掛けた場合は、以下のように工種別で書き出されます。
iDレベルの違いについて(iD200・iD300)
異なるiDレベルでもコストシミュレーションの手順については同じですが、iD200とiD300とでは[数量取込]時の拾い出し根拠が異なります。少し詳しく見ていきましょう。
iD200
iD200時の数量取込の数量は、AX-Style LIST(製図ビュー)ごとに拾い出し根拠が異なります。
・AXS_躯体マテリアル:実数量
・AXS_建具マテリアル:実数量
・AXS_外部マテリアル:実数量
・AXS_外構マテリアル:実数量
・AXS_内部マテリアル:部屋情報から算出
※ファミリはすべて実数量
iD300
iD200時の数量取込の数量は、すべてのAX-Style LIST(製図ビュー)で実数量から算出しています。
・AXS_躯体マテリアル:実数量
・AXS_建具マテリアル:実数量
・AXS_外部マテリアル:実数量
・AXS_外構マテリアル:実数量
・AXS_内部マテリアル:実数量
※ファミリはすべて実数量
iD200レベルでは詳細なモデルは作成しませんので、内部マテリアルに関しては[標準仕上更新]や[部屋スタイル]で入力した部屋情報から算出しています。
[AXS_躯体マテリアル]に内部間仕切壁の構造部材「LGS」が登録されているのは、壁の構造部分を部屋情報からの算出としてしまうと、部屋と部屋の境界である壁の構造部分はダブルカウントとなってしまい、数量が正しく算出できないからです。
iD200レベルでの数量算出を行わないのであれば、[AXS_内部マテリアル]にLGSのスタイルが登録されていてもOKです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
Revitではもちろん集計表を利用して数量の拾い出しを行うことができますが、統一されたフォーマットで異なる単位の数量を並べることはできませんし、Excelへの書き出しにも難があります。
AReXでは、データベースとしてあらかじめスタイルを登録しておくことで、部屋情報や自動詳細モデル化、コストシミュレーションなど様々なものに活用でき、モデリングルールの標準化を行うことができます。
スタイル登録の詳しい解説については近々に公開したいと考えております。
それではまた!